運用報告の記事で書いたとおり、10月からお小遣い運用分の積立ファンドを総入替しました。
新しいファンドは、いずれも「配当込み」指数をベンチマークにしており、実質コストも低いファンドです。
この時に長考したのが、新興国株式をFunds-i (正式名称:野村インデックスファンド・新興国株式)に変えても大丈夫?ということでした。Funds-i新興国株式の純資産は9月30日現在で15.3億しかなく、繰上償還されるかもしれないという懸念があったためです。
この点について調べものをしたり、twitterで助言をいただいたりして、最終的には「これなら大丈夫」という考えになりました。せっかくの機会ですので、ファンドの純資産と繰上償還について考えたことをまとめてみます。
純資産はこのぐらいあると安心♪の目安
純資産とはファンドの規模や大きさのことです。そのファンドを買う人がたくさんいたり、ファンド内に組み入れている株式や債券などの価格が上がったりすると、ファンドの純資産が増えていきます。
あんこもち個人の感覚ですが、「ファンドの純資産は100億以上あれば理想的。50億あれば心配しなくても大丈夫。30億以下だと繰上償還の可能性があるので避けたいなー。」と思っています。
純資産の推移もさらりと見るようにしています
念のために純資産の推移もチェックしています。右肩上がりであれば問題ないのですが、逆の場合は要注意です。市場全体が下落しているときは仕方ないのですが、そうでない場合はかなりの解約者がいることを示しています。
純資産が右肩下がりになっているファンドは、基本的に買っちゃだめ!と覚えておけば間違いないです。
繰上げ償還は長期投資における大きなリスクの1つ
繰上償還とは、純資産が小さく効率的な運用ができないことなどを理由に、ファンドが定められていた期間の前に運用を終了することをいいます。(運用期限が無期限のファンドの場合は、運用終了=繰上償還です。)
繰上償還になるとその時の基準価額で返金されますが、償還に至るまでの過程で解約者への返金のために保有資産の売却を余儀なくされるなど、相場変動以外の事情に大きく振り回されています。
そのため健全なファンドに比べると価値が下がっている場合がほとんどです。また、運用益が出ている場合は思わぬタイミングで課税されることになります。
このような事情から、繰上償還は長期投資において最も避けたいことの1つとなっています。
純資産が15.3億のFunds-i 新興国株式は繰上償還されるの?
償還の可能性がないとは言い切れません。Funds-i 新興国株式の交付目論見書には、受益権口数が30億口以下の場合は償還となる場合がある旨が明記されており、2015年9月30日時点ではその水準を大きく下回っています。
ですが、Funds-i 新興国株式はファミリーファンド方式を採用しているので、マザーファンドの規模が大きければそれほど心配しなくても大丈夫です。
繰上償還についての参考資料
ニッセイアセットマネジメント ふくろう教授の投資信託ゼミナール|繰上償還って何?
カン・チュンドのインデックス投資のゴマはこう開け!|『繰上げ償還』は、投資信託最大のリスクですファミリーファンド方式とマザーファンドの意味
投資信託の資料を見ていると、よく出てくる「ファミリーファンド方式」という言葉。インデックスファンドの多くはこの方式で運用されています。言葉で説明するより図解のほうがわかりやすいかな?と思って図を作ってみました。
ファミリ―ファンド方式では、複数のベビーファンドの資金をマザーファンドに集約して、実際の運用はマザーファンドで行なっています。
そのためベビーファンドの1つであるFunds-i 新興国の純資産が少なくても、マザーファンドの純資産が潤沢であれば、ひとまず安心できるというわけです。
Funds-i 新興国株式のマザーファンドの規模
マザーファンドの純資産は、最新の運用報告書や請求目論見書などに記載されています。ところが紛らわしい数字がいくつかあり、資料を読みなれていないとわかりづらいです。
twitter上で先輩方に助け船を出してもらい、なんとか理解したマザーファンドの純資産は、2015年3月末時点で132億、2015年5月11日時点で144億というもの。その後新興国株式の相場は下落しましたが、少なくとも100億以上はありそうです。
推定120億~140億(?)という純資産は、マザーファンドとしては小さめです。でも100億以上あれば安定した運用は十分可能ですし、資金流入も順調であることが読み取れます。
これでようやく安心してFunds-i 新興国株式に投資できるようになりました。ゆうきさん、水瀬ケンイチさん、吊られた男さん、ありがとうございました。
主要インデックスファンドのマザーファンド純資産総額についての参考記事
調べるのが大変な「主要インデックスファンドのマザーファンド純資産総額」をホンネの資産運用セミナーのゆうきさんが記事にまとめています。興味のある方はぜひご覧ください。