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インデックス投資を続ける中で大切なことに一つに、資産配分のリターン・リスクの把握というものがあります。「ファンドの海」さんのツール、「アセットアロケーション分析」を使って例を出してみると、下図のようになります。

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今でこそ、この数値は料理の味見みたいなもんかな?と捉えて気楽に付き合えているんですが、しばらく前まで「うーむ・・・」と考えこんでおりました。今回はわたしがリターン・リスクについての何にとまどい、どう折り合いをつけたのかを書き残してみようと思います。

※リターン・リスクの数値をどのように扱うかは、個人投資家はもとより、専門家の間でも意見が分かれています。この記事はあんこもちの私見としてお読みいただければ幸いです。

リターン・リスクの数値にはどんな意味があるの?(基礎知識のおさらい)

「期待リターン」とは、将来にわたる運用をした場合に、どのぐらいの収益が見込めるかを示したものです。上記の資産配分を例に取ると、1年後には42,800円の収益が得られそうだという意味になります。(元本100万円×4.28%)

期待リターンにセットでくっついている「リスク」とは、期待リターンからどれだけ離れる可能性があるかの振れ幅を示す数値です。※危険度のことではないので注意!

大まかな目安として、1年の間に「期待リターン±リスク×2」変動すると言われているので、「1年の間に-20.78%~+29.34%の幅で変動する可能性が高い」と言えます。

一生に一度あるかないかの大暴落まで想定するなら、「期待リターン±リスク×3」で見ておくと無難です。この場合は、「1年の間に-33.31%~+41.87%の幅で変動する」とみなすことになります。

期待リターン・リスクの他に、過去の実績値を示すものもあります。過去3年だと直近3年間の実績値、過去5年だと直近5年間の実績値となります。

過去3年・5年・20年・期待値といろいろあるけど、どれを基準にするべき?

最初の疑問がこれでした。冒頭の資産配分だと、期待リターン4.28% リスク12.53%ですが、過去の実績値で計算すると以下のようになります。(過去3年・5年については投信アシスト、過去20年についてはわたしのインデックスを利用して算出しました。)

  • 過去3年のリターン20.3%、リスク8.5%
  • 過去5年のリターン12.8%、リスク10.8%
  • 過去20年のリターン7.6%、リスク12.3%

てんでバラバラです・・・。どれを基準にすればいいのやら (´・ω・`)

答えを求めて投資本を読むと、「期待リターン・リスクなんぞあてにならん」という著者もいれば、期待リターン・リスクを前提に話を進める著者もいて、余計に混乱しました。さて、どうしましょうか。

これについては、①わたしがバイアンドホールドの長期運用を目指している ②いちばんシビアな数値を見ておけば、悪い方向に外れたとしてもダメージを抑えられる という2つの理由から、期待リターン・リスクを基準にすることにしました。

結局、全期間での最大損失はわからない

変動の幅を期待リターン±リスク×2で見るなら95.4%、期待リターン±リスク×3で見るなら99.7%の確率でその範囲内におさまるとされているのですが、これはあくまで1年間でのお話。

全期間を通しての最大損失については、今のところこれを計算する方法がありません・・・。(世界金融危機~リーマン・ショック時の損失を参考にすることはできます。わたしのインデックス資産配分ツールを利用すると便利。)この点につき、投資を始めた頃はすごく不安でした。

わたしの場合は、「運用資産が半減することもあるよね」とざっくり考える一方で、全損のケースも頭に入れることにしました。「全損しても耐えられる金額だけを投資に回せばよい。きっと増えてくれると思うけど、万一ダメでも大丈夫。」と考えることで、ようやく不安から解放されました。

リターン・リスクはあくまで参考資料 大事なのは資産配分の割合

リターン・リスクについて長々と語ってみましたが、この数値はあくまで参考資料です。いちばん大切なのは資産配分のバランスであり、データ上で効率のいい資産配分が実際に優れているとは限りません。

「もし思わぬ損失を被っても、投資を続けてさえいれば挽回の機会はやってくるから大丈夫♪」と考えて、必要以上に怯えないようにしましょう。挽回の機会が来ないような破綻を迎えた場合は、投資以前に預金もダメだろうから、斧を振り回すことにします。いや、プレッパーにでもなるか。ヒャッハー!

参考記事

日本が破綻すると思うなら海外投資や金投資より格闘技を習うべし -インデックス投資日記@川崎

日本が破綻した場合、モヒカンと戦う以外にプレッパーになるという選択肢がある